Tom's lab のIOSS (Impressive Omnidirectional Speaker System) は、無指向性スピーカーの最も優れた特質である、臨場感あふれる音場空間の再現性を更に推し進め、最適な音響エネルギーバランスを持った360°完全無指向性の音響特性を実現しました。これにより、まるでコンサートホールに居るような立体感あふれる音響空間の再現を可能にしました。
更に、入念な音響設計と素材選びにより、ハイエンドユーザーをも満足させる高音質を実現しました。
音質追求の結果として、音響的機能美を持つ印象的なデザインのスピーカーシステムが誕生しました。美術館に展示されたオブジェや中庭の噴水をイメージさせるフォルムは、設置された空間に凛とした佇まいを与えます。
更に、リスニングエリアが制限される一般的な単一指向特性のスピーカーに対し、無指向性スピーカーは、お部屋のどの場所でも音楽を楽しむことができ、家族そろっての音楽鑑賞や、友人を招いたホームパーティなど、多人数で楽しむのに最適です。
一般的なスピーカーの指向特性は、低域ではほぼ360°均一になっていますが、高域になるに従って指向性が狭くなり、スピーカー後方の音圧は減衰してしまいます。([一般的なスピーカーのポーラーパターン] 参照)
しかし、ピアノやバイオリンなどの自然楽器をステージ上で演奏した時の指向特性は、低域から高域まで全周波数帯域において360°均一になっています。IOSSは、全周波数帯域において360°均一な指向特性となっています。([IOSSのポーラーパターン] 参照)これによりIOSSの再生音は、自然楽器の演奏状態に近づき、よりリアルな広がり感を創り出しています。
また、IOSSに内蔵されたスピーカーユニットの中心軸は垂直方向に一本で、前後左右へ放射される音の位相特性に差を生じません。これにより、定位と広がりに重要な反射音の音像定位の軸がぶれず、存在感あるリアルな立体音響空間の再現が可能となりました。
一般的に、部屋の中の反射音が増えると、定位が崩れるのでは、と懸念されますが、実際の人間の耳によるリスニングでは、むしろ本当の立体感が生まれることを体感することが出来ます。
RP123-NA 音の放射状態
高音用無指向性ホーンは、シミュレーションと研究試作を繰り返し、2種類のフレアカーブを複合させ、音響的に最適なホーン形状を得ました。 また、中低音用ディフューザーについても、反射のシミュレーションと研究試作を繰り返し、最適なカーブを得ています。
更に、高音用コンプレッションドライバーをディフューザーの中に収納する構造とし、シンプル且つ音響的機能美を持ったフォルムを得ています。
これらの一体化された音響放射部は、まさにIOSSの心臓部と呼べるものです。
IOSS開発当初の主な想定設置場所は、パーティ会場や広めのリビングルームと考えていました。 最初の試作品を10畳程度の試聴室でTom's brain (*)メンバーが試聴した時、今までのスピーカーでは体験したことのない音響空間の再現性に驚きました。Brain の一人が、「まるで天井の高いコンサートホールや教会で聴いているような空気感だ。」更に隣で聴いていたBrain は、「特に弦やオペラが好きなリスナーにはたまらない魅力となるね。」と絶賛。
これを期に、IOSSの主な想定設置場所を、一般的な広さのリスニングルームとし、よりハイエンドなユーザーに満足していただける音質へのグレードアップに拍車が掛かりました。その結果、最上級モデルにはスーパーツィーターを追加し、ウーファーなども可能な限りグレードの高いものへと改良が行われました。
(*:Tom's lab では、4名の有識者に、Tom's brain (アドバイザー)として参加していただいており、商品の企画、デザイン、音響技術、音質評価等に関する広範囲且つ専門的なアドバイスをいただき、より完成度の高い商品開発を行う体制を整えています。)